IDUのエントリーに対する、
矢さんのコメントを受けて、
せっかくだから記事にしておこうかなと。
>> 矢さん wrote
・・・あれ?
てことは、株主総会対策さえ出来るなら、GCとかめちゃくちゃでも必ず適正意見を取れるのでは?
>>
少し論点を整理しますと。。。
・株主総会対策ができていれば会社法の意見はどうでもよい
・上場維持のためには金商法の意見が適正であればよい
昔から、会社法の監査意見のほうでは、
結構「不適法意見」が出されてきていました。
・減価償却を止めている
・貸倒引当金が不十分である
といったあたりがよくある理由でした。
しかしながら、不適法意見が出ていたとしても、
株主総会さえ通過できれば、別段問題はなかったわけです。
「株主の自己責任」というヤツでありましたので。
ただこの話は「非上場の会社法監査」の会社であって、
「上場の会社法監査」の会社では両者が一致するのが常だったわけです。
よって、従来はあまり問題になってこなかったんだろうなぁと。
ところがこの状況が変化してきたわけですよ。
最大の原因はGC注記ですね。やっぱり。
そのスパイスとしては「未確定事項」ということで。
GC注記で会社と監査人がバトルのは、
・GC注記を記載するか否か
・継続企業の疑義の状況を解消する計画の実現可能性
が多いわけです。
このうち前者はぶっちゃけどうでもいい。
(GC注記なしでつぶれた場合の問題はありますが、
今回の話とは別のお話ということで。)
会社法と金商法の監査意見の差異という点で問題なのは、
後者になるわけであります。
会社法の監査意見表明と、
金商法の監査意見表明については、
タイムラグがあるのはご存知のことと思います。
1ヵ月ぐらいはズレがあるわけですね。
(会社法のほうが早い)
ここで1つのケースを想定します。(3月決算で)
期末時点で債務超過になっている会社が存在した場合、
継続企業の前提に疑義があることになります。
そして、会社は対応する計画として、
「資金調達による債務超過解消」を記載するとします。
これに対して、監査人側のほうで、
「ホンマにファイナンスできるん?」
ということで「ようわからん」となったとします。
となると、影響が重要な場合には「範囲限定」となりまして、
「意見不表明」という流れに乗ってきます。
これが、会社法の監査意見表明のタイミングとしましょう。
(5月頃ですね)
その後、招集通知を発送している間に、
6月初旬に実際のファイナンスが具体化して、
株主総会前に実現したとします。
そうなりますと、監査人側としましても、
「ようわからん」が「やれてるやん」になりまして、
範囲限定から意見不表明の流れが止まるわけです。
で、金商法の監査意見表明のタイミングではセーフとなる。
(6月末ですね)
IDUのケースとしてはこういうことなわけであります。
会社法意見表明の時点では「未確定事項」が存在しており、
GC注記の内容を判断できなかったが、
金商法意見表明の時点では確定しており、
GC注記の内容を判断できるようになった。
よってありえるのは、
会社法「意見不表明」→金商法「適正意見」
のコンボということになります。(基本的には)
ちなみに、株主の立場になってみますと、
招集通知時点では「監査意見不表明」であったとしても、
その後のファイナンスなどで状況の改善が確定的であれば、
別に決算承認に反対する必要はなくなりますので、
やっぱり通過するケースが多くなるんだろうなぁと。
(むしろ、反対して上場廃止モードにしても損するだけだし)
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