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DATE: CATEGORY:内部統制ネタ
fsa

2008/3/11
「「内部統制報告制度に関する11の誤解」等の公表について」

書いておきたい衝動に駆られましたので。。。
エントリーが遅いのはいつものことです。

自分の立場としましては、
コンサル+監査の両方を経験済ですので、
会計士の立場から好き勝手コメントしておこうかなと。


Q1 米国SOX法と同じか

トップダウンアプローチとかいいながら、
業務プロセスのリスクの識別手法(リスクモデル等)に、
ボトムアップアプローチが採用されてませんか?
監査人やコンサル指導のケースもあるかもしれませんが、
会社が自分で採用した手法がそうだったりするケースがあるんですよね。
それでいて「しんどい」と仰ってるんですが、
それは自爆というヤツでございます。
(コンプラリスクや不正リスク、業務ミスなどが識別されているケース)


Q2 特別な文書化が必要か

実施基準で「業務の流れ図」「業務記述書」などを例示するから、
3点セットなどというのが一人歩きするわけで。
「RCM」だけあればいいんじゃないですか?
(逆に「RCM」だけは最低でも欲しいという監査人的立場からの感想)

また、記録の保存という観点からは、調書のコピーがあったとしても、
それを監査で使えるか疑問なんですよねぇ。。。
だって、基本的に監査で現物にあたらないのは無意味ですから、
やはり調書現物を見たくなるわけですよ。
正直ベースとしまして、調書のコピーの整理をするよりかは、
調書現物における、証跡やリファレンスの残し方を考えたほうが。。。


Q3 すべての業務に内部統制が必要か

事業拠点関連の業務プロセスについては、
「下流は総勘定元帳入力まで(会計システム入力まで)」
というところなんでしょうが、
「じゃあ上流はどこから?」
というのは難しいのではないかと感じてます。
受注、応札、引合と財務報告リスクの関係は・・・
業務プロセスの範囲で揉めるのは上流部分ですよね?
(人件費なども揉めますが)

また、僅少という重要性の基準値については、
5%などという数値目標を出さないほうがよかったような。
下手に出してしまったがために、
どーでもいい会社が数値基準でひっかかってしまって、
負担を増やしているような気がしております。
(大事な会社が数値基準でひっかからないケースについては、
 監査人が指摘するのであまりないだろうという実感)


Q4 中小企業でも大がかりな対応が必要か

代替的な統制が記載されておりますが、
「マンパワーが不足しているのに、経営者や他の部署によりモニタリングできる余力があるわけがないだろう」
という悲鳴が聞こえてくるのですが。。。
マンパワーが不足している会社において、
相互モニタリングの体制を組むこと自体が、
そもそも無理だと感じているのですが、
自分の感覚がおかしいのですかね?

また、企業外部の専門家の利用とか書いてありますが、
そもそも中小企業には「人」も「金」も、
ないっちゅーねん。

具体例が非現実的に感じている次第。


Q5 問題があると罰則等の対象になるのか

不適切な会計処理をしたところで、
なかなか上場廃止にならない日本という国ですから、
内部統制報告書程度で上場廃止になるとは到底思えず。
(ゴメンなさい、最初から高をくくってます。)
最悪でも「特設注意市場」行きなんじゃないかなぁ。。。

そんなことを心配するよりも、
・把握されてしまった財務報告外の内部統制の不備
をどうするかを考えるほうが余程重要ではないでしょうか。
「財務報告への影響が無いからパス」
といっていられない問題が含まれる可能性があるのですが、
誰かがその観点で指摘してくれなければ、
経営者にとってはおそろしいことになる気がしております。
(ビジネスリスクや法務リスクなど)

・重要な欠陥を放置したがための財務報告の事故
についても、注意すべき事項ではありますけどね。


Q6 監査人等の指摘には必ず従うべきか

ここについては二面性があるので難しいなと。

会社として、最低限のフレームワークの理解などは必須なわけで、
そのレベルに至っていない段階で監査人に反発されても困ります。
監査人と協議する前に、最低でも実施基準ぐらいは原文読みましょう。

実施基準に書いていない部分だと判断した上で、
その部分についての取扱いを協議するのは重要です。
なんでやらなあかんねん? というところは大いに議論すべき。

ちなみに、マニュアルやツールについては、
利用できるものは利用したほうが早く済むからいいですよ。
(必要な部分だけ利用するのもアリでしょうし)
システムについては。。。微妙。

それと、結構前からコンサルなどを入れている会社であれば、
実施基準公表前から作業をしているはずですので、
コンサルによる指導などが、
「オーバースペック」
になっていないかという点検はお忘れなく。
本番前にスリム化を図ったほうがいいですよ、
特にIT統制関係が重装備過ぎる会社が目立ちます。


Q7 監査コストは倍増するのか

「経団連、内部統制の負担軽減要請=監査報酬の高騰懸念」
こんな記事があるようですが、
監査コストは増えることは間違いない。
金融庁見解の、
「内部統制監査は、財務諸表監査と同一の監査人が一体となって効率的・効果的に実施」
するとしても増える。
そういう意味では、ここの書き方が悪い。
「倍増しますか?」「効率的・効果的に実施」
これは答えになってませんよ。

>> 時事ドットコムの記事より
「(2008年度は監査法人の)監査時間が2倍、3倍になるという話も聞こえてくる。おかしいのではないか」
>>
はっきり書いておきますが、
おかしいのは企業側でもなければ、
監査人側でもなく、
この制度がおかしい

思いっきり本音ベースの意見を申し上げますと、
山口先生のビジネス法務の部屋のエントリーにて、
「「内部統制報告制度に関する11の誤解」金融庁公表(速報版)」
機野さんがコメントされている、
>>
建前論はそろそろ要りません
(そこにこだわるのなら、いっそ廃止論をぶちかますべきなのです。制度としてハナから破綻してますから。でも悪法もまた法なり。 <以下略>
>>
というご意見に同意。

監査人にしわ寄せしようとしても、
今の監査人は昔ほど弱腰ではないので、
情け容赦なく切るでしょうね。
「じゃあ、他に行って下さい」
監査報酬が一定水準以下のクライアントについては、
大手は整理し始めていると感じているのですが、いかがでしょう?

さて具体例ですが、「監査計画の一体的作成」については、
Q10を考えると、初年度は矛盾するんだろうなと。
会社側の作業が終わっていなければ、
監査人側で計画立てられないんですよね。。。
(そういう意味では、「全社的な内部統制の評価」
「業務プロセスの評価範囲の選定」については、
6月末ぐらいまでには実施しておく必要があると感じてます。
できうればキーコントロールの数ぐらいは把握しておきたい。)

また、監査証拠の利用という点では、
監査人が監査証拠として採用できるような、
評価手続レベルが求められるわけですよね。
ということは逆に、経営者評価の評価手続レベルが低いのであれば、
監査人が独自で評価実施する必要がでてくるわけであります。
よって、経営者評価コストと監査報酬はトレードオフの関係と見てますが、
どうでしょうかね?


Q8 非上場の取引先も内部統制の整備が必要か

必須ではないですが、やったほうがいいのでは?
上場会社クラスの内部統制構築は不要でしょうが、
内部統制の現状報告書のようなものを提出できれば、
それだけでも他とは一味違うということで。
(というか、外部倉庫のような倉庫業者については、
棚卸資産関係ですし、あったほうが。。。
運送業者であれば、なんともいえませんが。)


Q9 プロジェクトチーム等がないと問題か

問題のはずがないわけで。
が、兼務は実際のところ大変だと言われておりますので、
現場実務を考えると、ねぇ。。。
経営者的にはあまりいじりたくはないでしょうが。

具体例を眺めてみて、
自己点検の建付けや、お金の問題だよなぁという感想。


Q10 適用日までに準備を完了する必要があるのか

金融庁見解のイミガワカラナイ。。。
「適用日時点で完了している必要はなく、
 決算日後3ヶ月以内に内部統制報告書が提出できればOK」
といえばいいのに。

・適用日
・決算日
・決算日後3ヶ月
の関係整理はしておく必要があります。


Q11 期末のシステム変更等は延期が必要か

必要ではないが、やめといたほうがいいのでは?
正直な話、会社側からしたら怖いと思うのですが。。。
実際のところ、評価対象外としたシステム関連で、
ミスが発生するようなことがあった場合に、
なんだかんだ言われますからねぇ。


別紙2 内部統制報告制度の円滑な実施に向けた対応

Q&Aの追加公表や、指導中心の行政対応とありますが、
それよりもめっちゃ気になった一文が。。。

「制度導入後、適時にレビューを行い、その結果を踏まえて。。。」

え? レビューされるの? 会社を? 監査人を?
評価・監査の基準・実施基準とその後に書いてありますから、
内部統制報告書のレビューでは済まないですよね?
選ばれてしまった場合には、監査人監査のみならず、
金融庁レビューもありえるという意味にとれるのですが??
この読み方が正しいとするのであれば、
いや~な感じがしてしょうがない。。。
「上場会社の監督官庁として金融庁の影響力拡大」


以上、コメントについてはこんなところで。



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DATE: CATEGORY:トレンド
日本オプティカル<2680>

2008/3/10
「買収防衛策(事前警告型ライツ・プラン)の非継続に関するお知らせ」

こんないいネタに気づいていないとは。。。
迂闊極まりない。

この件に対する個人的評価は、
「とってもポジティブ」
ということで。

ポジティブ
・検討の上、そもそも買収防衛策は不要と判断
・買収防衛策を導入後、不要として撤廃

ネガティブ
・買収防衛策を導入
・そもそも検討すらしていない

私見ではありますが、こんな会社分類です。

「買収防衛策なんぞ導入している企業はロクでもねぇ」
という基本的スタンスなものですから、
今回のようなものを目にすると、なんか嬉しくなる。

>>
現環境下においては株主共同の利益と企業価値を毀損する惧れのある敵対的買収行為と認識される事実が発生した場合には、金融商品取引法の規定に基づく対応または株主総意の直接確認等により株主の皆様の利益を最大限に保護することが可能であると判断される
>>

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DATE: CATEGORY:反市場勢力
2008/3/14
カネボウ 個人株主の権利を守る会

カネボウといえば、
ウチの読者の皆様であれば、
何がしかの感情をお持ちのことと思います。

「中央青山のトリガーになった事件ね」
「日本の内部統制制度のきっかけになった事件か」

「カネボウ 上場廃止のその後 ファンドがTOB 上場廃止時の半分以下の価格で」
ウチの3代目ブログでも取り上げていました。


そしてまた、興味深い事案が追加されることになるのでしょう。
「TOBに関する適正価格の件」であります。

少数株主 1578円
経営 162円
鑑定人 360円

2つの価格での対立ならばまだしも、
まさか鑑定人による第3の価格がでてくるとは。。。
そういう意味で非常に興味深かったのですが、
今回地裁で判決がでたそうで。

鑑定人の360円が採用されたとのことです。
これって、2005/6/10の最終株価なんですよね。

最高裁までいってはいませんが、
とりあえずは目先の事例にはなるんでしょうね。

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